BLOG

朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ 関係者間取引に係る整理保存の特例 ◆

2026年5月12日 BLOG

この制度は、一言で言うと「身内(関連者)との取引があるなら、エビデンスをガッチリ残さないと、青色申告を取り消して『推計課税』でガッツリ税金を取りますよ」という、国税庁の強い姿勢を示すものです。身内同士の取引は、価格を自由に決めやすく、実態のない「利益移転(所得隠し)」に使われやすいのが実情です。

 

令和8年度(2026年度)税制改正で「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」が創設されたことにより、内国法人が令和8年4月1日以後に開始する事業年度に行う関連者間取引について、契約書等に対価の額の明細などの記載がない場合には、その記載されていない事項(特定事項)を明らかにする特定事項記載書類の取得等・保存が必要となります。

 

1. 対象となる取引

・工業所有権等の譲渡又は貸付け

・研究開発、広告宣伝、資産の貸付・維持・管理、経営管理指導、情報の提供等役務の提供

 

2.対象となる関連者

・グループ親会社・子会社・兄弟会社など

 

3.保存すべき書類

・注文書・契約書・領収書等に対価の額を算定するために必要な事項の記載がない場合、この計算根拠となる書類(電磁的記録を含む)を取得・保存が必要

 

  1. 恐ろしい「ペナルティ」の内容

もし調査で「特例書類」が保存されていない、あるいは提出に応じない場合、以下の強烈な措置が待っています。

①青色申告の承認取消し

②推計課税の適用

「これまでは『身内だから契約書はいらないよね』で済んでいたかもしれません。しかし今後は、『第三者との取引と同じ、あるいはそれ以上に厳しい証拠』が求められます。

特に注意すべきは『非関連者間』の取引であっても、関連者が介在していれば対象になるという点です。例えば、親族が経営する会社を中間に挟んで取引をしているようなケースです。

 

5.実務対応

①関連者の範囲の確認

②関連者との取引の確認

③関連者との取引に関する書類の確認

関連者取引がある法人は、早めの点検をお勧めします。

社員税理士 庄司 真弓

カテゴリー

月別アーカイブ