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朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ 食事補助の非課税枠が「月額7,500円」へ引き上げ! ◆

2026年8月10日 BLOG

企業が従業員へ支給する「食事補助」について、令和8年度(2026年度)の税制改正により、非課税限度額がこれまでの月額3,500円から「月額7,500円」へと大幅に引き上げられました。

物価高が続く中、従業員の負担軽減や福利厚生充実を目的として、食事補助や社員食堂の導入・見直しを検討される企業が増えています。

しかし、税務調査においては「社員食堂の運営を外部委託しているケース」で思わぬ給与課税の指摘を受けるリスクが潜んでいます。今回は、改正後の非課税要件と外部委託時の注意点について解説します。

 

1.食事補助が非課税となる「2つの要件」

従業員へ支給する食事(社食や弁当など)が給与として課税されない(=非課税・福利厚生費となる)ためには、以下の2つの要件を両方満たす必要があります。

  1. 従業員が「食事の価額」の50%以上を負担していること
  2. 「食事の価額」から従業員負担額を差し引いた金額(企業負担額)が月額7,500円(税抜)以下であること

 

2.税務調査で指摘されやすい「食事の価額」の評価方法

問題となるのは、要件判定の基準となる「食事の価額」をどう評価(計算)するかという点です。税法上、食事の調達形態によって評価方法が異なります。

該当するケース

食事の価額の評価基準

委託費の扱い

① 使用者が調理して支給

自社で調理、または調理のみを外部委託

直接費
(材料費・調味料代など)

判定に含まない

② 使用者が購入して支給

外部から弁当を購入、または社員食堂の運営を丸ごと委託

購入価額
(業者への総支払額)

判定に含む

 

社員食堂の運営を外部業者に委託している場合、税務調査で「これは『購入』と同等であるため、外部業者への委託費(人件費や運営費)も食事の価額に含めて判定すべきだ」と指摘されるケースがあります。

委託費を含めて評価された場合、「食事の価額」全体が膨らむため、従業員から徴収していた金額では「50%以上の負担」要件を満たさなくなることが考えられます。結果として非課税要件から外れると、過去に遡って「従業員に対する給与課税(源泉所得税の追徴)」が生じるリスクがあります。

 

3.外部委託社食で「材料費のみ」で判定を受けるための条件

社員食堂を外部委託していても、実態として「会社が食事を提供しており、調理業務だけを外部委託している」と認められれば、委託費を除いた「材料費・調味料代」のみで50%判定を行うことが可能です(国税庁タックスアンサー No.2594)。

そのためには、以下の要件を満たし、実態を整えておくことが重要となります。

  1. 施設・設備の無償提供
    社内の食堂や調理場・厨房設備などを、外部業者に無償で使用させていること。
  2. 材料費等の明確な区分と精算
    外部業者が材料仕入れを行う場合でも、企業に請求される「材料費」と「委託費(人件費等)」の内訳が適正かつ明確に区分されており、精算されていること。

 

4.まとめ

非課税限度額が「月額7,500円」に拡大されたことで、より柔軟で魅力的な食事補助制度を設計できるようになりました。

一方で、税務調査では「50%負担の判定基礎となる金額」が正しく計算されているかが論点となりえます。特に社員食堂を外部委託されている企業様は、契約内容や運用の実態について、今一度見直されることをお勧めいたします。

社員税理士 泉 俊史

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