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朝日だより

カスハラ対策

2026年09月28日 士業だより

10月1日より、全企業に「カスハラ対策」等が義務化されます!


近年、テレビやニュースでも話題となっている「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。
お客様や取引先からの度を越したクレームや暴言により、大切な従業員がメンタル不調に追い込まれたり、離職してしまったりする被害が全国で深刻化しています。

これを受け、令和8年10月1日より改正労働施策総合推進法が施行され、すべての事業主に「カスハラ防止措置」を講じることが義務付けられることになりました。


大企業だけでなく、従業員を1人でも雇用している中小企業や個人事業主もすべて対象となります。


今回は、必要な対応・対策の概要をご案内いたします。

1. そもそも「カスハラ」とは?

改正法や指針では、以下の3つの要素をすべて満たすものを「カスハラ」と定義しています。
職場において行われる①顧客等の言動であって、②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されること

BtoC(一般消費者向け)の接客業だけでなく、BtoB(企業間取引)における取引先の無理な要求や暴言も対象になります。
また、「お客様の主張(言動の内容)自体はもっともだが、怒鳴りつける・土下座を強要する・長時間の電話で拘束する」といった“言い方や対応態度(手段や態様)”が過剰な場合もカスハラに該当します。


2. カスハラ防止のために講ずべき措置(義務)
事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません。対応を怠ると、行政指導(助言・指導・勧告)や「企業名の公表」の対象となる可能性があります。

① 事業主の方針等の明確化とその周知・啓発
・「カスハラには毅然と対応し、従業員を守る」という基本方針を策定し、従業員に周知・啓発する
・カスハラの具体例や対処ルール(可能な限り従業員1人で対応させないこと等)を就業規則やマニュアルに定め、社内に周知・教育する

② 相談体制の整備
・従業員が被害に遭った際に、一人で抱え込まず相談できる窓口を設置する
・相談担当者が適切に対処できるよう、研修や担当者用マニュアルを用意する
・カスハラに該当するか否か微妙な場合であっても広く相談に対応する

③ 発生後の迅速・適切な対応
・カスハラが発生したら、速やかに事実確認を行う
・被害を受けた従業員のメンタルケアや、担当者を交代させるなどの配慮を行う
・再発防止に向けた措置を講ずる
*カスハラ発生の原因や背景となった商品・サービス・接客等における問題や顧客とのコミュニケーション不足の改善を図ることも効果的

④カスハラ抑止のための措置
・特に悪質な事案には弁護士や警察と連携して組織的に対処する体制を整える

⑤そのほか併せて講ずべき措置
・相談者のプライバシーを守り、「相談したこと」を理由に解雇や降格などの不利益な扱いをしてはならない旨を周知する

3. 放置するとどうなる?企業が抱える3大リスク
「罰金がないなら、対応は後回しでもいいか」と考えるのは非常に危険です。対策を怠ることで、企業は大きな痛手を負うことになります。

①人材の流出・採用難
従業員をカスハラから守らない姿勢が見えると、離職が相次ぎます。特に若手社員の離職原因としてカスハラは急増しています。

②安全配慮義務違反(損害賠償リスク)
従業員がメンタル疾患を発症した場合、企業が対策を怠っていたとして「安全配慮義務違反」で訴訟・損害賠償を請求されるリスクがあります。

③企業イメージ・ブランドの失墜
行政からの勧告に従わず、企業名が公表された場合、顧客や取引先からの信頼を失い、採用活動にも決定的な悪影響を及ぼします。


4. その他(求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の義務化)
 カスハラ対策義務化と同じタイミングで、求職者に対するセクハラ対策についても義務化されます(男女雇用機会均等法改正)。

求職者等に対するセクシュアルハラスメント(いわゆる「就活セクハラ」)とは、事業主が雇用する労働者による「性的な言動」により求職者等による求職活動等が阻害されるものをいいます。就職活動中の学生や、インターンシップ参加者、転職活動中の応募者などに対するセクハラの防止対策が義務となります。基本的な措置のほか、採用面接の時間や場所、やり取りに用いるSNSの種類や対応人数など、社内でルールを決めることで実効性が高まりますので、これを機に見直されることをお勧めいたします。


当法人では、カスハラ防止措置の対応サポートや就業規則等の規程改定も承っております。
まずはお気軽にご相談・お問い合わせください。

朝日社会保険労務士法人 後藤奈緒

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