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朝日だより

2023年 年末調整はどうかわる?(朝日税理士法人だよりVol.224)

2023年11月01日 朝日税理士法人

いよいよ2023年も残すところ2か月となりました。サラリーマンにとっての2023年給与収入に係る所得税額の大精算として年末調整があります。今回の年末調整の変更点は3項目あります。以下そちらについて説明をさせて頂きたいと思います。

 

【住宅ローン控除申告書】

2050年カーボンニュートラル目標の実現に向け住宅の省エネ性能向上・長期優良住宅の取得推進を背景とした令和4年税制改正により、住宅ローン控除の区分の追加と変更がありました。 住宅を取得した初年度は確定申告を行うため、年末調整としては令和5年からの変更となります。

 

1.区分の追加と変更

住宅の種類等に応じて、住宅ローン控除の借入限度額、控除率、控除期間の追加・変更(令和4年・5年に入居した場合)は下記の通りとなります。

・新築住宅: 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合 借入限度額5,000万円 控除率0.7% 

控除期間13年

・新築住宅: ZEH水準省エネ住宅の場合 借入限度額4,500万円 控除率0.7% 控除期間13年

・新築住宅: 省エネ基準適合住宅の場合 借入限度額4,000万円 控除率0.7% 控除期間13年

・新築住宅: 一般の場合 借入限度額3,000万円 控除率0.7% 控除期間13年

・中古住宅: 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の場合 借入限度額 3,000万円 控除率0.7% 控除期間10年

・中古住宅: 昭和57年以降建築で新耐震基準に適合住宅の場合 借入限度額2,000万円 控除率0.7% 控除期間10年

・東日本大震災の被災者の特例: 借入限度額5,000万円 控除率 0.9% 控除期間13年(一定要件を

を満たす場合に適用となります)

 

2.所得要件の変更

住宅ローン控除適用の所得要件は、その年の合計所得金額が3,000万円以下から今回の改正により2,000万円以下へと引き下げられました。給与所得以外に所得がある場合は注意が必要です。

 

【国外居住(非居住者)の扶養控除親族の適用変更】

令和4年までは国外にいる16歳以上の扶養親族はすべて扶養控除対象となっていました。令和5年以降の非居住者の扶養親族の対象は以下の通りに変更になりました。

 

1.年齢16歳以上30歳未満の者

2.年齢70歳以上の者

3.年齢30歳以上70歳未満の者のうち、①から③に該当する者

① 留学により国内に住所及び居住をしなくなった者

② 障害者

③ 扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費または教育に充てるための支払を38万円以上受けている者

1~2についてはその事実を証明するために親族関係を証明する書類、3についてはそれに加えて留学ビザ等書類や38万円以上の送金を証明する書類の提出・確認が必要です。

 

【給与所得者の扶養控除等申告書における住民税に

関する記載事項の追加】

扶養控除等申告書の住民税に関する事項に「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」「寡婦・ひとり親」の記載欄が追加されました。所得税の配偶者・扶養親族の所得判定は退職金を含めて計算します。しかし住民税の扶養の所得判定には含めないという扱いになっています。退職金を受取った配偶者や扶養親族がいる場合、所得税では扶養対象外、住民税では扶養対象となるケースがあります。その場合の適用漏れを防止する為にこの記載部分が追加されました。

 以上が2023年、年末調整の変更点となります。年末調整が終わりましたら確定申告の準備です。確定申告についてお困りの事、相談されたい事があれば是非、朝日税理士法人にお問合せ下さい。

 

(文責:逗子支店 高橋智江子)

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