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朝日だより

不動産賃貸の税金、もう一度整理してみましょう(朝日税理士法人だより資産税版Vol.143)

2022年10月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

「朝日税理士法人だより~資産税版~」の読者の中には、不動産賃貸経営をなされている方が多くいらっしゃると思います。毎年の確定申告によって納税することになる所得税についてはどなたも気になさっていると思いますが、不動産賃貸経営には所得税の他にも多種多様な税金が課税されています。今号では、不動産賃貸経営についてどの様な税金が課税されているのかを整理してみました。しっかりと理解をしておくことによって、税金について損をしてしまうなんてことにならないようにしましょう。

 

不動産の取得

 不動産売買契約書などを作成する時に必要となる税金が印紙税です。書類の種類や契約金額などによって貼付すべき印紙の額は決まっています。定められた額の印紙を貼付しなかった場合には、貼付すべき額との差額の3倍の過怠税を納めなくならなければならない事態になることがありますので注意が必要です。

 不動産を取得して登記をする時に掛かる税金が登録免許税です。取得原因などによって税率は異なりますが、登記を司法書士に依頼すれば間違いなく納税が完了します。

 取得時のラストに課税されるのが不動産取得税です。固定資産税評価額に4%か3%の税率を掛けるだけのシンプルな税金ですが、様々な軽減措置がありますので慎重に申告する必要があります。

 

不動産の所有と賃貸

 不動産を所有していれば例外なく課税されるのが固定資産税・都市計画税です。不動産取得税と同様に基本的な仕組みはシンプルなのですが、様々な軽減措置があることや評価額そのものが過大ではないかなど注意すべき点があります。

 不動産賃貸借契約書など様々な契約書を作成することがあると思います。ここでも印紙税について注意が必要です。

不動産賃貸をすれば利益が出ることもあるし、損失が出てしまうこともあります。ここで所得税や住民税の課税が問題になります。いずれにしても税金で損をしないためには正確な記帳や領収書等の保存が必要です。帳簿をしっかりつけて青色申告にすることによって様々な優遇措置を受けることが出来ます。

 不動産賃貸が事業的規模になると事業税が課税されます。基本的には所得税と同様の所得計算を行って5%の税率により課税されますが、所得(青色申告控除前)が年290万円以下であれば課税されません。

 居住用の物件を賃貸している場合には原則として関係ありませんが、店舗や事務所あるいは駐車場などの賃貸収入が一定額を超えたり、賃貸物件を売却したりした場合は消費税の心配をしなければなりません。対象になった場合には色々と検討しなければならない事項が多いです。損得がはっきりと出てしまう税金ですので慎重な対応が必要です。

 

不動産の売却

 不動産を売却すると譲渡所得税(住民税)が課税されます。売った金額-買った金額(建物等は減価償却後)-譲渡費用、に税率を掛けて計算されます。買った金額が重要になりますので、購入時の契約書等の書類は大切に保管しておいてください。譲渡所得にも様々な優遇措置があります。売却を決めたらまず優遇措置を使えるかどうかを検討することも資金計画を考えるうえで重要です。

 取得の場合も同様ですが、親族間や同族会社との間で売買をする時などにはその価格決定を慎重に行う必要があります。間違えると思わぬ税金を追徴されるなんて事態にもなりかねません。

 

おわりに

 詳しくご説明することは出来ませんでしたが、不動産賃貸経営を行っていると様々な税金の心配をしなければなりません。不明な事や心配なことがありましたら遠慮なくご相談ください。

(文責:大澤慎一)

 

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