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朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ 何故「確定申告」っていう名前になったの? ◆

2023年3月17日 BLOG

◆ 何故「確定申告」っていう名前になったの? ◆

Q:確定申告がようやく終わったね

A:そうだね・・でも、よくよく考えてみると私たち「確定申告」のこと知っているようで、実は知らないこと沢山あるね。(そこでインタビューを聞いてみよう!)

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大谷選手をはじめとする侍ジャパンの大活躍で、空前のベースボールブームとなっております。
しかし、この活躍をテレビで見ることが出来なかった人達がいます。
それは、我々税理士事務所・税理士法人で働く人たちです。
「何故見れなかったって・・それは、毎年恒例の確定申告という繁忙期とWBCの予選期間が重なったためです。(大谷選手のホームランLIVEで見れなかった・・(残念))
ただ、このように野球が盛り上がっているので、今回の税務ミニ話は、ベースボールのヒーローインタビューバージョンでご案内させて頂きます。


【むかし、むかしの確定申告期限】
アナウンサー:「放送席、放送席、それではヒーローインタビューを行います。」
放送席:「今回のヒーローはどなたですかね。楽しみです。それでは、●●アナウンサーお願いします。」
アナウンサー:「先日(3月15日)に期限を終えられました確定申告選手にお越し頂きました。」
スタンド観客:「わーっ」(拍手)
アナウンサー:「確定申告選手、大変お疲れ様でした」
確定申告:「ありがとうございます。」
アナウンサー:「毎年のことですが、年が明けて、僅か一ヶ月しか経過していない2月16日から3月15日まのでタイトな期間での対応、本当に大変だったですね。」
確定申告:「確かにタイトなスケジュールです。でも昔に比べると、良い方だと思います。」
アナウンサー:「えっ・・そうなんですか。」
確定申告:「はい。祖父に聞いた話なんですが、昔(昭和22年度)は1月末日が期限だったそうです。」
アナウンサー:「えっ1月末?! それはメチャクチャタイトですね。」


【確定申告という名の由来】
アナウンサー:「そもそもの話なんですが、何故『確定申告』というお名前なんですか。」
確定申告:「それは戦後混乱期における異常インフレと関係しています。」
アナウンサー:「戦後インフレ・・あっ・・戦後直後にもの凄い勢いで物価が高騰したことですね。」
確定申告:「そうです。そのインフレです。」
「当時の所得税は、前年の実績に基づき、当局が計算した額を課税する方式でした。」
「だた、インフレの状況では、貨幣価値が下がるので、前年実績で計算した税額で計算してしまうと、(貨幣価値が下がった分)実質税収が減ってしまいます。」
「それでは、当局(国)が困る!とのことで、次のような方式に変えました」

  1. 年の中途に徴収等する税額は、前年の実績等で計算した『予定納税額』とする。
  2. 年が締まる(12月31日締めをする)ことで、その時点での貨幣価値を反映した税額を『確定』させる。
  3. この『確定』税額から『予定納税額』を差し引いた額を確定納税額として納付する。

「このような理由で、(年を締めて)税額を『確定』させるための『申告』という意味で『確定申告』という名称になったようです。」
アナウンサー:「なるほど、年の中度では『予定納税』でザックリ徴収して、年末で締めて、税額を確定させるということで『確定申告』という名が付いたのですね。よくわかりました。」


【最高税率】
アナウンサー:「そーいえば、所得税の税率って、超過累進税率という方式で、所得が高ければ高いほど、(高い部分には)大きな税率が課されてしまう・・と聞いたのですが。」
確定申告:「そうなんです。所得税の最高税率は45%です。」
アナウンサー:「えっ45%! 住民税税率は10%とのことですので、合計で55%になるじゃないですか! 所得の半分以上が税金で取られるって酷いですね。」
確定申告:「たしかに高いですね。でも昭和の終り頃(昭和61年)の最高税率は、それよりも更に高い70%だったのですよ。」
アナウンサー:「そうなると、もうほとんどが税金ってカンジですね。」


【納税者数】
アナウンサー:「さて、このスタジアムには、確定申告を終えられた納税者様が、確定申告選手を一目見ようと詰め掛けています。」
「凄い人数ですね。おおよそ何人くらいの方が起こしなんですか。」
確定申告:「そうですね。全国で確定申告書を提出された方の人数は、22万人を超えると聞いております。(令和3年度ベース)」
アナウンサー:「そんなに大勢の方が申告なさっているのですね。」
「だからこの時期は、税務署には多くの人が詰めかけ、税理士や税理士法人の事務所も繁忙で大変な状態になっているのですね。」
確定申告:「おっしゃるとおり、税務署も税理士も大変な状態になりますが、一番大事なのは、納税者の皆様のご協力とご理解があってこそ、私(確定申告)は成り立っ
ていると思います。」
「スタンドの皆さん本当にありがとうございます!」
スタンド観客:「わーっ!」(納税者の歓声と拍手)
アナウンサー:「凄い歓声ですね。」
「さて、確定申告選手が拘わる所得税についてお話を伺いたいと思います。」
「所得税の税収ってどのくらいの規模なんでしょうか」
確定申告:「確定申告を行った方に加え、年末調整や源泉徴収などを加えた、所得税総額は約21兆円(令和4年度国家予算ベース)です。」
アナウンサー:「凄い額ですね。」
確定申告:「はい、お陰さまで、長年のライバルである法人税選手の税収約13兆円(令和4年度国家予算ベース)を超えることが出来ているのですが、平成の時代に力を付け、このところ伸び盛りの消費税の税収(約21兆3000億(令和4年度国家予算ベース))には残念ながら及びませんでした。」
アナウンサー:「たしかに、このところの消費税は増税増税でイケイケですからね。」
確定申告:「そうなんです。でも我々ベテラン税(勢)は、地道に頑張りたいと思いますので納税者の皆さん、今後ともよろしくお願いしたします。」(スタンドに向かいガッツポーズ)
スタンド観客:「わーっ」(歓声と拍手)
アナウンサー:「確定申告選手のガッツポーズが決まったところで、放送席にマイクをお返しします。」
「確定申告選手、ありがとうございました。」
確定申告選手:「ありがとうございます。」
このインタビューを自宅テレビで見ていた筆者:「確定申告選手・・調子にのってんじゃないよ・・まったく・・もっと減税してもらわないと、国民は大変だよ・・・(ブツブツ・・ブツ)」(パチン・・テレビを切る音)

(文責:社員税理士 小竹 勝)

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