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朝日だより

NISA口座 ロールオーバー or 売却?(朝日税理士法人だよりVol.165)

2018年12月01日 朝日税理士法人

    NISAの制度が2014年に始まり早5年が経ちました。ご存知の方も多いかと思いますが、NISA口座で発生した売却益・分配金・配当は5年間(ロールオーバーをすると最大10年間)にわたり全て非課税という制度です。これは2014年から2023年までの期間限定となっております。今のところは変更がないようです。
 それとは別に長期的目線での投資として2018年から“つみたてNISA”の制度が始まりました。こちらは非課税で投資できる期間がNISAとは違い2018年から2037年までの20年間とされています。
 NISAは、1年間の投資額は120万円(2014年と2015年は100万円)ですが、つみたてNISAは40万円となり金額的には低くなりますが、その分長く投資できるようになっております。

    さて、先程述べたそのNISAが5年目を迎え、10年に延長するための方法であるロールオーバー(2019年に設定される新しいNISAに移管)についてご説明いたします。

    ポイントは下記の通りとなります。

1.ロールオーバーをするには、NISA口座を開設している証券会社に手続きをする必要があります。
        ある証券会社では、【非課税口座内上場株式等移管依頼書】を提出期限までに提出します。
2.ロールオーバーした資産の年末時点の評価額分だけが翌年のNISA非課税枠を使用します。
3.ロールオーバーする資産の年末時点の評価額が120万円以上の場合でも、翌年のNISA非課税枠
        全てを使用することでロールオーバーが可能となります。
4.ロールオーバーを申込みした後でも対象銘柄の本年中の売却は可能です。

 では次に上記ポイントを踏まえた上で、ある証券会社を例にとってロールオーバーの方法・注意点等を簡単にお話したいと思います。

   【非課税口座内上場株式等移管依頼書】には、ある時点において保有している銘柄、株数、取得価額、評価額等が明記されています。そのなかでロールオーバーしたい銘柄を決めて、提出期限までに当該書類を提出します。まだ株式の売却を考え中で迷っている場合はロールオーバーをするつもりで提出して構いません。書類を提出してからでも年内までに売却に変更することができるためです。ただし、ロールオーバーの申告をしなかった株式を年末までに売却しなかった場合は来期のNISA口座での管理にはなりません。
    翌年のロールオーバーに伴うNISA非課税枠の使用可能額ですが、例えば2018年末までに100万円使用額のうち50万円売却し、年末時点の評価額が50万円であれば2019年のNISA口座の非課税枠が50万円となり、2019年に新たに非課税枠で購入できる金額は70万円となります。
    要するにロールオーバーした場合は年末時点での評価額で翌年の非課税枠利用額が決まります。ですが、年末時点の評価額が120万円を超えていた場合はどうなるのかと言うと、ポイントでも述べたようにロールオーバーが出来るのです。但し120万円の非課税枠が使用されているので2019年は使用できなくなります。
 合わせて、ロールオーバーで気を付けないといけない点も挙げておきます。
 一つは【非課税口座内上場株式等移管依頼書】を提出期限までに提出(手続き)しないと2018年末時点の保有していた株式は2019年から特定口座又は一般口座へ移管されてしまいます。そうなると 2019年度の課税対象となり確定申告等が必要となる可能性があります。
 もう一つは年内に売却する予定の場合です。売却手続きから入金処理まで数日かかりますので、12月最終営業日までに全てが完了していることが大事なのです。なぜならば12月の最終営業日の時価で評価され、それが2019年の期首の取得価額として影響し、非課税枠が減ってしまうためです。
    現在NISA口座をお持ちの方は今一度ロールオーバーするのか売却するのかご確認することをお勧めします。

                                                                                                                (文責:逗子支店 重留和枝)

 

 

 

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