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朝日だより

経済的利益の課否判断(朝日税理士法人だよりVol.161)

2018年08月01日 朝日税理士法人

    会社がその役員や使用人に対して、金銭以外の物又は権利その他の経済的利益の供与をした場合、その経済的利益の供与は給与を支給したのと同様の経済的利益をもたらすことから、原則としてその者に対する給与として取り扱われ、所得税が課税されます。しかし、例外として一定の要件を満たせば、非課税として取扱うことができる場合があります。

    そこで今回は、会社がその役員や使用人に対して与える経済的利益が、所得税法上課税となるのか、それとも非課税となるのか、よくある事例を参考にQ&Aを交えて見ていきましょう。

1.自社商品、製品等の値引販売による経済的利益
〔Q1〕当社が、自社で販売している商品を従業員に値引販売することによる経済的利益についての課税関係を教えてください。
〔A1〕会社が役員または使用人に対して、自社の取り扱う商品、製品等(有価証券及び食事を除く)を値引販売することによる経済的利益については、下記要件を全て満たせば、課税しなくても差し支えないものとされています。

①値引販売価額が、会社の取得価額以上である。
②販売価額が、通常販売額の概ね70%以上である。
③値引率が、役員若しくは使用人一律である、又は地位、勤続年数等に応じた合理的な格差を設けて定められている。
④家事のために通常消費する程度の数量である。

注意)但し、不動産の値引販売については、上記の取扱いを適用することはできず、課税関係が生じます。

2.社員旅行による経済的利益
〔Q1〕当社は、従業員のレクリエーションのため、社員旅行の実施を考えています。当社が費用負担するに経済的利益の課税上の取り扱いについて説明してください。
〔A1〕会社が主催するレクリエーション行事としての社員旅行に参加したことにより受ける経済的利益が非課税とされるためには、その行事が社会通念上一般的に行われていると認められる必要があります。
    社会通念上とは当該旅行の企画立案、主催者、旅行の目的・規模・行程、参加割合・参加者の負担額及び負担割合等を総合的に勘案して実態に即した判断によりますが、次のいずれの要件も満たしている場合には、原則として課税しなくて差し支えないものとされています。

①当該旅行に要する期間が4泊5日(目的地が海外の場合には、目的地における滞在日数による。)以内のものであること。
②当該旅行に参加する従業員等の数が全体の50%以上であること。(事業所ごとに実施される場合は、その事業所の人員の50%以上の参加が必要。)

    なお、自己都合で旅行に参加しなかった人にその穴埋めとして金銭を支給すると、参加不参加を問わず、全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとみなされ、源泉徴収の対象とされてしまいますのでご留意ください。

 上記は一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありません。具体的な取引等に適用する場合においては、上記と異なる課税関係が生ずることがありますので、課否判断につきましては、当法人各担当者へお問い合わせください。

                                                                                                                                          (文責:小田原支店 坂井  絵美)

 

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