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朝日だより

【相続遺言】

2020年12月14日 朝日司法書士法人

今年も、残すところわずかになってきました。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響から帰省を控える人も多いかと思いま
す。
一方、スマートフォンのビデオ通話などを使って実家と連絡を取るという人もいると
思われます。その際に話し合っておきたいのが相続のことです。昨今、少額で揉める
ケースが増えています。
最高裁判所の集計によると家庭裁判所で行われた遺産分割調停・審判の合計件数は
2019年で12,785件でした。2019年に調停が成立した7,224件のう
ち遺産の金額について見てみると5,000万円超は20%に満たない反面、
1,000万円超5,000万円以下は約43%、1,000万円以下は約34%を
占めました。
5,000万円以下の場合、親の自宅が大部分を占めていることが多く見られます。
例えば、自宅を複数の相続人で均等に分割することは難しく、そのような状況で相続
人の一人が親の自宅を相続した場合、残りの相続人が相続できる財産が少なくなるこ
とから紛争に発展するケース多く見られます。
遺産の金額では少額の類に入る5,000万円以下の相続が、紛争に発展することが
多い背景には「少額のため紛争とは無縁」と考えた親が遺言書作成など、遺産分割対
策をしていないことが原因と考えられます。こうしたケースで紛争となった場合、親
の自宅を相続した人は、自分の預貯金などの中から残りの相続人に代償金を支払う代
償分割で解決することになります。
この機会に、財産整理をし財産のリストを作成したら、リストを定期的に更新するこ
とを今後おすすめします。なぜならリストを作成したあとも使っていない銀行口座を
整理したり保険の受取人を変更したりするといった事態が起きるからです。お盆や正
月などの帰省のタイミングなど、わかりやすい日を更新日にしておくとよいでしょう。
そして、最終的には遺言書作成を検討してはいかがでしょうか。
財産整理は何度か話し合いをしながら少しずつ進めていくことになりますが、子ども
の方から親に財産整理について話を切り出すことは、なかなかハードルが高いです。
「最近ネット記事で遺産分割について読んだのだけど何か考えている?」などと遠回
しに話を持ち掛けてはどうでしょうか。
遺産分割で争いになることを防ぐためにも時間をかけて財産整理は行いたいものであ
ります。そのためにも、年末年始から少しずつでも準備を始めてみてはいかがでしょ
うか。
朝日司法書士法人では、遺言作成のお手伝いを始め、相続遺言の相談を随時承ってお
ります。どうぞお気軽にご相談下さい。

 

                             
                  (朝日司法書士法人 高橋 真人)

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