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朝日だより

相続で取得した不動産を譲渡した場合の特例(朝日税理士法人だより資産税版Vol.131)

2021年10月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

はじめに

 朝日税理士法人で仕事をしていると、お客様やお取引先様からいろいろな質問・相談を頂きます。

 私が受ける相談内容として一番多いのが「不動産を売ったらいくら税金がかかるの?」というものです。

 不動産を売却することは、そう何度もあることではありません。また、取扱い金額が大きいことが質問が多い一因であると考えられます。

 

不動産売却に係る所得税等の計算方法

 まず、不動産を売却した場合にかかる税金は「所得税と住民税」です。

 「分離課税」と言って給料、年金、不動産の所得などとは分けて計算され、適用税率は一定です。

 計算方法は下記のとおりです。

{譲渡価額-(取得費+譲渡費用)}×税率

 

◆取得費

土地など減価しない資産は購入価格・購入手数料等。

建物など減価する資産は未償却残高相当額。

 取得費がわからない場合には、譲渡価額の5%を取得費とすることができる特例があります。

◆譲渡費用は、売却するために直接支出した費用で、仲介手数料や印紙代等です。

◆税率は所有期間によって変わります。

・所有期間5年超(長期)・・・20.315%(所得税15.315%,住民税5%)

・所有期間5年以下(短期)・・・39.63%(所得税30.63%住民税9%)

 手続きとしては、毎年1月1日から12月31日までの間に譲渡した資産に関して、翌年3月15日までに確定申告により所得税を計算して納めます。 

 住民税は5、6月頃、確定申告書に記載された情報をもとに計算された納付書が送られてきます。

 

相続で取得した不動産について適用がある特例

ご相談のうち、大部分を占めるのが「相続で取得した不動産」についての譲渡に係る所得税の計算についてです。適用可能な特例のうち代表的なものは

 

下記の通りです。

①相続税の取得費加算

②空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除

 

①相続税の取得費加算

相続で取得した資産を相続開始の日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日(相続開始の日から3年10ヵ月以内)までに売却した場合に、一定の金額を譲渡所得の計算上、取得費に加算できる、という特例です。

一定の金額、というのは簡単にいうと、「納めた相続税額のうち、売却した資産に係る相続税分」です。

(具体例)

・譲渡対価:1億円

・取得費:2,000万円(所有期間5年超)

・譲渡費用:200万円

・相続税の取得費加算:1,000万円

(税額計算)

{1億円-(2,000万円+1,000万円+200万円) }

=6,800万円

6,800万円×20.315%=1,381万円

 

②空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除

 被相続人(亡くなられた方)が生前居住していた家屋やその敷地で空き家になったものを、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却した場合に、一定の要件を満たすときは最高3,000万円の特別控除ができる、という特例です。上の具体例では下記のような計算になります。

(税額計算)

{1億円-(2,000万円+200万円) }=7,800万円

7,800万円-3,000万円(特別控除)=4,800万円

4,800万円×20.315%=975万円

 

①と②の特例は併用できないので、どちらも適用できる場合には、どちらか有利な方を選択して適用することが重要です。

 

最後に

譲渡所得の計算には、さまざまな特例が設けられています。

要件が複雑であったり期限があるものもありますので、不動産売却や特例適用をお考えの際は事前に朝日税理士法人にご相談下さい。

(文責:山﨑祐未)

 

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