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朝日だより

相続した土地を国が引き取る制度(朝日税理士法人だより資産税版Vol.145)

2022年12月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

はじめに

 令和5年4月27日から相続土地国庫帰属制度がスタート(施行)します。

 この制度、一言でまとめるなら「国に申請し一定の要件を満たせば、相続した土地の所有権を放棄し、国が引き取ってくれる制度」です。

 近年増加している「相続した土地を手放したい」というニーズに応えるべく創設されました。

 今回は、この制度を利用するためのポイントをご紹介します。

 

申請ができる人

本制度は「相続した土地」が対象です。このため、売買や贈与により取得した土地は本制度の利用ができません。具体的には以下に該当する方が申請可能です。

  1. 相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る)によって土地を取得した人
  2. 上記1.の共有者
    (注)土地の共有持分を相続等以外の原因により取得した共有者がいる場合でも、相続等により共有持分を取得した共有者がいるときは、共有者の全員が共同して申請することで、本制度を活用できます。
  3. 施行前に相続した土地も対象です
    (注)本制度開始前に相続等によって取得した土地についても本制度の対象となります。例えば、数十年前に相続した土地でも、本制度の対象となります。

 

国が引き取らない土地

「相続した土地」であれば何でも引き取ってくれるという訳ではありません。管理コストの国への転嫁や土地の管理をおろそかにするモラルハザードが発生するおそれを考慮して、相続土地国庫帰属法に定められた要件を満たす土地に限られます。

  1. 申請をすることができないケース(却下事由)
    • 建物がある土地
    • 担保権や使用収益権が設定されている土地
    • 他人の利用が予定されている土地
    • 土壌汚染されている土地
    • 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地

  2. 承認を受けることができないケース(不承認事由)
    • 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
    • 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
    • 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
    • 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
    • その他通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

 

負担金

土地所有権の国庫への帰属の承認を受けた方は、承認された土地につき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定された額の負担金を国に納付しなければなりません。

  1. 宅地・田、畑・その他(雑種地、原野等)
    ⇒面積に関わらず、原則20万円/筆
  2. 森林 ⇒ 面積に応じて計算

(注)いずれも例外や特例計算あり。負担金以外にも申請手数料がかかる予定です。

 

事前の相談・準備が不可欠

これまでは、不動産の所有権を放棄したくても、根拠法令が明確ではなく、実務上は放棄できない状態でした。それが今回の相続土地国庫帰属制度の施行により可能となります。しかし、却下事由や不承認事由で示されている通り、国が求める要件のハードルは決して低くありません。

国は、更地で、賃借権や抵当権など他人の権利がなく、境界が明示されており、隣接地とのトラブルがないなど、通常の土地の利用ができる状況で引き渡すことを求めています。そのため土地所有権を放棄するためには、要件を満たすための準備が必要となり専門家の協力が不可欠です。

 私たち朝日ビジネスコンサルティンググループには税理士・弁護士・司法書士など本制度申請に必要な専門家が揃っています。申請をご検討の際にはご相談ください。

(文責:中村和仁)

 

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