◆ 煩雑な手続きは不要です「法人税の申告延長」 ◆
Q:コロナの影響でこれから申告ラッシュを向かえる法人税の申告が心配だよ
A:大丈夫、簡単な手続きで申告を延長はできるみたいだよ
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新型コロナウイルスの感染拡大の状況のなか、多くの事業者の皆様は大変なご苦労をなさっていると思います。
このような状況において3月決算法人を中心にこれから、法人税や消費税の申告期限を向かえますが「帳簿の作成や決算申告準備がままならず、期限内に申告ができない」状況にある法人様も多くあると思います。
このような問題に対応するため、国税庁はこの度「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」を発表しました。
今回はその内容をご案内いたします。
【1】一定の事由がある場合申告期限を延長出来るって聞いたけど・・どんな場合がと認められるの
例えば、御社に以下(1)~(4)のような方(役員・従業員)がいることにより
● 通常の業務体制が維持できない
● 事業活動を縮小せざるを得ない
● 取引先や関係会社においても感染症による影響が生じている
以上のような理由により決算作業が間に合わず、期限までに申告が困難な場合がそれにあたります。
(1)体調不良により外出を控えている方がいること
(2)平日の在宅勤務を要請している自治体にお住いの方がいること
(3)感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方がいること
(4)感染拡大防止のため外出を控えている方がいること
また、上記のような理由以外であっても、感染症の影響を受けて申告・納付期限までに申告・納付が困難な 場合には、個別に申告・納付期限の延長が認められます。
【2】延長の場合の申告・納付期限はいつまででイイの
国税庁のQ&Aによれば
「新型コロナウイルス感染症の影響により、期限内に申告・納付することが困難な法人については、申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ日から2か月以内の日を指定して申告・納付期限が延長されることになる」
このように記載されています。
つまり、コロナウイルス感染拡大の影響で期限内に申告ができない状態が解消されてから2ヶ月ということになります。
では、その解消とはどんな場合なのでしょうか。
それは期限内申告が出来ない状態になっている上記【1】の
● 通常の業務体制が維持できない
● 事業活動を縮小せざるを得ない
● 取引先や関係会社においても感染症による影響が生じている
という状況が解消された場合です。
つまり
(1)体調不良により外出を控えている方の体調がもとに戻り、上記の状況が解消された場合
(2)平日の在宅勤務を要請している自治体にお住いの方が、その要請が解除され上記の状況か解消された場合
(3)感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方が、安心して勤務先に出勤できる状態となり、もしくはテレワークなどで対応が出来るようになり、上記の状況が解消された場合
(4)感染拡大防止のため外出を控えている方が、その感染リスクが小さくなったことにより、外出が出来るようになり(会社に安心して勤務できる状態となり)上記の状況が解消された場合
ということになります。
「このような状況が解消され法人の申告書等を作成・提出することが可能となった時点で申告を行ってください」とQ&Aに記載があります。
【3】申請や届出など、申告以外の手続きも個別延長の対象となりますか 。
Q&Aによれば法人税や消費税、源泉所得税に係る各種申請や届出など、申告以外の手続きについても、新型コロナウイルス感染症の影響により、提出が困難な場合は、個別に期限延長の取扱いを行うとの記載があります。
【4】個別延長する場合には、どのような手続きが必要となりますか 。
コロナの影響で様々な支援措置を行政は謳っておりますが「その手続きが複雑だ」「手続きをするのに役所に行って何時間も待たされクラスターのリスクが生ずる」などの批判や意見が多く出ております。
このような声に応えてか・・・本件の手続きは至ってシンプル簡単になっています。
(やれば出来るじゃないか国税庁)
Q&Aによれば「別途、申請書等を提出していただく必要はない」とのこと。
では、どうやって手続きするの・・ということになりますが
これは、提出する申告書の余白に「 新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請 」 であることを付記するだけでOKとのこと!
簡単ですね。
これは、源泉所得税の納付書においても適用されます。
具体的な記載方法は納付書の「摘要」欄に「新型コロナウイルスによる納付期限延長申請」 と書くだけで良いとのことです。
【5】納付はいつまで
これには注意が必要です。
法人税などの申告書の提出を伴う税金の納期限は=申告期限です。
これは、今回の延長でも同様です。
この延長にかかる申告期限は、上記【2】に記載があるとおり、その理由がやんだ日から2ヶ月内の日ですから納付期限も同様になります。
具体的には、いつ納税すればよいのか?!
Q&Aによれば、「申告期限及び納付期限は原則として申告書等の提出日」との記載がありますので、申告書の提出日に納付をするとよいかと思います。
(文責:代表社員税理士 小竹 勝)