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朝日税理士法人のブログを掲載します。

「海外資産」がガラス張り?

2015年1月1日 BLOG

今年2月、国税庁は海外の税務当局と「金融口座情報」を交換することにより、世界84ヶ国・地域に日本の個人や法人が保有する口座情報約219万件を入手したと発表しました。

 

1「海外口座」を狙い撃ち!

各国の税務当局は、経済協力開発機構(OECD)が策定した「共通報告基準(CRS)」に基づいて、自国に所在する金融機関から「非居住者」に係る口座情報の報告を受け、その情報をCSR参加国間で自動的に交換しています。日本は平成29年1月にこの「CSR」に参加したことで、日本人が海外に保有する口座情報等を従前より容易に入手することが可能となりました。初回の交換で入手した情報は、64ヶ国・約55万件でしたので、CSR参加国や件数は、この4年間で急速に拡大しています。交換される情報は、主として預金、有価証券等の口座残高、資産性のある保険等に係る収入(利子、配当の年間受取総額等)です。近年、私達が銀行等で口座を開設するときに、国籍など開設者に係る詳細な情報の記入が必要になった背景がここにあります。

 

2「口座情報」だけですか?

国税庁と海外の税務当局は、「租税条約等」に基づく「自動的情報交換」を10年以上前から実施しています。米国は、「CRS」に参加していませんが、租税条約等に基づき米国内で発生した利子・配当、株式譲渡対価、不動産収入等のうち、日本の居住者に支払われた情報を国税庁に提供しています。また、平成10年以降、国内銀行等の金融機関は、200万円を超える国外送金情報(平成21年4月以降は100万円超)を「国外送金等調書」として税務署に提出しています。これらの情報は、すべて国税庁の「KSKシステム」に蓄積され海外資産関連の情報として管理されています。

 

3 コロナ禍で税務調査も変わる

国税庁は、入手した金融口座情報を確定申告の際に提出された「国外財産調書」「財産債務調書」など様々な情報と併せて分析します。有効となる情報は、国税局、税務署に還元されて調査に活用されます。海外財産の的確な把握と課税強化は、最重要事項であり、調査は優先的に実施されます。平時であれば、調査効率や波及効果の観点から「資産規模が大きい」大型事案から税務調査対象に選定されます。しかしこのコロナ禍の現状では、短期間で調査終結が見込め、確実に課税できる小型事案が選定される傾向が強まっています。

 

4 「インターネット」で相続情報を開示

米国など英米法を適用する国々での相続手続きは、日本と大きく異なります。日本人に身近なところでは、ハワイ州がこれに該当します。ハワイに財産を残して相続が発生した場合には、被相続人や相続人が日本人で日本の居住者であっても、相続人だけで遺産分割を行うことができません。相続財産は、原則、裁判所の管理下に置かれ、遺産分割の手続きが進められます。この一連の手続きを総称して「プロベイト」と呼びます。プロベイトにおいて裁判所は、公聴会を開き被相続人の財産、相続人の情報等を公開します。遺産目録・個人情報・家族構成などが公になるため、プライバシーが確保できない可能性が高くなります。これらの情報は、インターネットで特に制限なく見ることができます。もちろん国税当局も閲覧し情報を収集しています。

 

5 終わりに

 税務署は日本国内だけではなく、海外各国との情報交換などにより、財産の調査をしています。相続税申告や調査などへのご不安がありましたら、相続税に詳しい専門家のいる朝日税理士法人にご相談ください。

(文責:小針 彰)

 

 

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