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朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ 来年から給与から引ける控除額が減る!! ◆

2019年12月9日 BLOG

Q:来年から、給与から引ける控除額が減るってホントなの?
A:うん・・でも、基礎控除はその分あがるんだ・・でもね・・
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【サラリーマンの控除できる経費が下がる?】

■後輩:「大変だぁ、大変だぁ」
■先輩:「こら・・何を慌ててんだ」
■後輩:「だって、先輩!来年から税金上の計算で、サラリーマンの控除できる経費が
                10万円も下がってしまうって・・ことらしいです」
■先輩:「あー『給与所得控除額』の減額のことだな」
■後輩:「先輩・・その『きゅうよしょとくこうじょがく』って何なんですか」
■先輩:「ほら、さっきお前が言ってた『税金の計算上においてサラリーマン・・
                つまり勤労者の控除できる経費』のことだよ」「この金額が、来年から10万円
                減るんだよ」
■後輩:「そーなると、サラリーマンは増税になってしまうんでしょうか」
■先輩:「それなら心配は無い」
■後輩:「えっ!何でですか?」

【でも(一先ず)大丈夫?】
■先輩:「それはなぁ・・別の控除額をその分、上げるからだよ」
■後輩:「何を上げるんですか」
■先輩:「基礎控除というモノを+10万円上げて、所得税については48万円控除とし、
                住民税については45万円にするんだよ」
■後輩:「そっか!それなら、給与所得控除額が▲10万円となっても、基礎控除で
                その分挽回(+10万円)するから、結果として+▲0万円ですね・・・
                あーよかった」

【ちっとも良くないぞ】
■先輩:「お前は、それでイイかもしれんが、俺のような『高級取り』はチョット
               困るんだ」
■後輩:「えっ!先輩の給与ってそんなに凄いんですか」
■先輩:「えっ・・・まーぁ・・それなりの仕事と責任があるからな・・・」
     「それは、それとして・・・『高級取り』にはちっとも良くないんだ」
■後輩:「でも、誰でも給与所得控除額が▲10万円になる代わりに、基礎控除額が
               +10万円になるんでしょ」
■先輩:「そうとも限らないんだ・・」
                「給与所得控除額は、最低65万円で、給与の額が増えるに応じて上がって
                 いくんだけど、青天井では無くて、年収1000万円を超えると、どんなに
                 給与が増えても220万円のままなんだ」
               「これが、来年からは、年収の上限が1000万円から150万円引き下がって
                850万円となってしまい、控除額は195万円になってしまうんだ」
              「だから基礎控除が+10万円になっても、全体の控除額は減ってしまうんだ」
■後輩:「うーん・・先輩、俺・・あまり頭良くないから・・何か具体例で説明して
               くれませんか」
■先輩:「わかった、これを見てくれ」
年収:900万円の場合の給与所得控除額
  ・これまで:210万円
 ・来年から:195万円
 ・15万円も下がる
年収:1000万円の場合の給与所得控除額
  ・これまで:220万円
 ・来年から:195万円
 ・25万円も下がる。
基礎控除が+10万円になっても、年収900万円の場合は5万円、年収1000万円の
場合は15万円も(給与所得控除額と基礎控除額と併せて)下がってしまうんだ。
■後輩:「そっか・・給与所得控除額の上限が抑えられてしまうので、基礎控除が
               +10万円になっても、高級取りの人は控除額全体が下がってしまうんだ・・
               先輩は大変だ・・・」

【それだけでは無い】
■先輩:「それだけでは無いんだ」
               「実は、折角+10万円になった基礎控除も、高額所得者については、下がって
               しまって、最後には0になる場合もあるんだ」
■後輩:「えっ!・・基礎控除も・・?」
               「基礎控除って・・どんな人だって公平にある控除額だったはずですよね」
■先輩:「これまではな・・でも、来年からそうじゃ無くなるんだ」
               「所得金額が2400万円をこえると、基礎控除額は、所得金額に応じて少しずつ
                減っていき、2500万円を超えると0になってしまうんだ」
■後輩:「2500万円の所得って、相当の額だけど・・それでも0円というのは厳しいですね」

【でもね・・】
■先輩:「ただ、これじゃあまりにも厳しいんで、次のような措置を設けているんだ」
               ・本人が特別障害者である場合
               ・23歳未満の扶養親族が居る場合
               ・特別障害者である同一生計配偶者、あるいは扶養親族がいる場合
                   このような場合は、一定の+αの控除額『所得金額調整控除』を控除することが
                    出来る。
■後輩:「そっか・・一定の事情があって、教育費や家計費がかかるようなケースは
               考慮してくれるんですね」
■先輩:「そうなんだ・・でも、高給取りには厳しい税制になることには変わらないな」
■後輩:「でっ・・先輩は給与、幾ら貰ってるんですか・・そんなに貰っているんなら、
               たまにはかわいい後輩におごってくださいよ」
■先輩:「そーしたいんだが、来年から増税だから、節約・節約・・・」

(文責:代表社員税理士 小竹 勝)

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