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朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ タダであげたのに、何故税金がかかるの? ◆

2019年10月8日 BLOG

◆ タダであげたのに、何故税金がかかるの? ◆
 
Q:個人が土地を法人に寄付すると個人に税金が課されるってホントなの
 
A:タダであげても譲渡とみなして税金がかかるみたいだよ
 
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【知人の会社に土地を寄付すると思わぬ税金が・・】
Aさんは、知人のBさんが経営する会社(C社)の隣地に土地をもっていました。
C社は、自社の工場の拡大を検討していました。
 
Aさんは、Bさんが苦労をして事業を立ち上げ、地域と従業員のために、一生懸命
経営している姿をいつも見ていました。
「C社はとても良い会社だ」
「経営するBさんも謙虚で誠実で立派な社長だ」
Aさんはいつも感心していました。
 
また、Aさんには、子供が無く、将来この土地の相続承継をどのようにすべきか
悩んでいました。
 
「それであれば」・・と思いAさんは、この隣地の土地をC社に寄付し、同社の経営に
役立ててもらおうと考えました。
 
この土地はAさんが、その昔200万円で購入したモノです。
現在の時価は1,000万円ほどします。
 
Aさんは、早速C社を訪ね、Bさんにその意向を伝えました。
「本当に!?」Bさんはとても喜びました。
 
 
それから数日して、BさんからAさんに連絡がありました。
その声は、少しガッカリした様子でした。
「とてもありがたいお話ですが、その申し出を受けるとAさんに迷惑がかかってしまいます」
Bさんは、申し訳なさそうに話しました。
 
Aさんが、その理由を聞いたところ、Bさんは「顧問税理士から聞いた」と前置きして
次のような説明をしました。
 
Aさんが、隣地の土地をC社に寄附すると、Aさんに譲渡所得税か課されてしまう。
「えっ、タダで渡すのに何故、私に税金が課されるの?!」
Aさんは、唖然としました。
 
【損しているのに何故】
譲渡所得税とは、譲渡により儲かった部分に課税がされるモノです。
例えば、Aさんが200万円で購入した土地を、時価の1,000万円でC社に譲渡したとします。
この場合、Aさんの儲けは1,000万円-200万円=800万円です。
これに係る譲渡所得税は約160万円です。
 
Aさんは、土地を売って儲け、売却代金も手にしていることから
「税金は払いたくないけど、確かに儲かっているし、売却代金(1,000万円)のお金もある
から納税できない訳ではない」
「仕方ない・・納税するか」
というカンジで納税をすることになります。
 
「でも、今回はタダで渡すので、儲けは無いはずなんだけど」
Aさんは、つぶやきました。
 
確かにそうですね。
この土地の原価は200万円です。それをタダ「0円」でC社に渡しています。
よって0円-200万円=▲200万円
儲けどころか、200万円損しています。
 
「何故それなのに、税金が課されるので、?」
Aさんは、首を傾げるばかりです。
 
【みなし譲渡所得】
Aさんが、その昔200万円で取得した土地を売りC社にタダで渡す行為を税務署は
こんな風に(意地悪に)考えます。
(1)Aさんは、C社以外の第三者に土地を売り1,000万円を手にします。
(2)Aさんは、その1,000万円の現金をC社に寄付します。
(3)C社はその1,000万円で第三者から土地を買い戻します。
 
この考え方によれば、Aさんは(1)にて200万円で買った土地を1,000万円で売却して
いるので、800万円の所得を得たことになります。
だから、譲渡所得税が課されるという理屈になります。
 
「でも(2)で1,000万円寄付しているから、上記の利益800万円から1,000万円引き
▲200万円になるのでは?」と読者の皆さんはそう思いますよね。
ところが、この寄付は引くことができないのです。
 
税の世界では、個人が普通の会社に寄付をしても経費にも控除にもならないのです。
その結果、800万円の所得だけが残り、税金が課されてしまうのです。
 
個人が法人にタダで土地をあげた(土地を寄付した)事実があるのに、その事実を
取り上げず、個人が一旦、第三者に土地を譲渡したことにしてしまう=譲渡した
ものとみなし課税をするのです。これを「みなし譲渡課税」と言います。
 
みなし譲渡課税は、儲けていないのに課税されるという嫌な制度ですが、嫌なだけでは
済みません。最も困ることは、多くの場合、納税資金に苦慮します。
それは納税しようにも実際には売却代金(お金)を受け取っていないからです。
 
納税するお金を得ていないのに課税される・・これを担税力無き課税といいます。
それ故とても困る制度ですので、皆さん注意してくださいね。
 
                                       (文責:代表社員税理士  小竹 勝)

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