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朝日税理士法人のブログを掲載します。

◆ ちょっと待った!その繰上げ償還 ◆

2020年1月15日 BLOG

Q:住宅ローンの繰上償還をすると「損」をするケースがあるって聞いたけど
A:償還後のローンの残高や期間によって「損」をしてしまうケースがあるよ
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【折角の税の恩恵を手放すかも?!】
人生で一番大きな(高い)買い物は何ですか?
この問いに対し「マイホーム」と答える人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「自分の城」「家族の安らぎ」「あこがれの家」・・マイホームっていいですね。

 

でもとっても高いので、多くの人はローンを組んで購入することになります。
このローンの返済・・最初のうちは夫婦共働きだったので、無理なく返済できたけど子供が誕生し、奥様が専業主婦になり、子供が成長し学費がかかるようになったり、親の介護が生じたりして色々お金がかかるようになると本当に家計に大きく圧し掛かってきますね。

 

そんなとき「家計をやりくりして貯めた」「相続した」「保険が満期になって受け取った」等々でまとまったお金が入ってきますと、「住宅ローンの全額(もしくは一部)繰り上げ償還しようかな」・・と皆さんお考えになります。

 

確かに償還すると、住宅ローンの返済が無くなったり、大きく減額するので、家計がとても楽になります。

 

でも、いいことばかりではありません。
困る事というか・・思いもよらぬ損をしてしまうことがあるから注意が必要です。

 

どんなときに損をしてしまうか・・
それは「住宅ローン控除」を受けている場合です。
償還の額やタイミングを誤ってしまうと、折角の税務上の恩恵を手放してしまうケースがあるのです。

 

今回はそれについて説明いたします。

 

【低金利の場合、償還すると「損」するかも】
住宅ローン控除とは、ザックリ言うと、ローンの残債の1%に相当する税額を所得税や住民税から控除してくれる制度です。
イメージとしては、(ザックリ説明すると)住宅ローンにかかる支払い利息をキャッシュバック(もしくは納付すべき税額から控除)してくれるモノです。

 

近年の低金利政策の影響を受け、住宅ローンの金利は、軒並み年利1%を切っています。その金利は変動金利の場合0.5%を切るモノもあります。

 

実際に払っている利息は0.5%、でもローン控除で戻ってくる税金は1%・・・これってとてもお得ですよね。

 

例えば1月のはじめに金利0.5%、期間35年で3000万円の借入をした場合、その年に支払う利息は約165,000円です。
一方で、住宅ローン控除にて税額控除される額は約291,000円になります。
291,000円-165,000円=126,000円も多く戻ってくるのです。(お得ですね)

 

でも、このケースで、借入額の半分を中途で、繰上げ償還してしまうと、この恩恵は半分しか受けることができません。
1500万円を繰上げ償還すると、上記のお得額126,000円の約半分63,000円の恩恵を手放すことになります。(これって大きいですよね)

 

住宅ローン控除の対象となる金額の上限は、4000万円(省エネや劣化しにくい構造などの優良住宅等の場合は5000万円)でありますので、繰上げ返済をして残高が4000万円(もしくは5000万円)を切ってしまう場合は、折角の恩恵を手放すことになるので注意が必要です。

 

 

【償還後の期間が短くなると「損」するかも】
もう一つ繰上げ償還で注意が必要なことがあります。
それは、償還後の返済期間が短くなった場合、ローン控除が全く受けれなくなるケースがあるからです。

 

住宅ローン控除の要件に、「返済期間が10年以上」というモノがあります。

 

例えば、当初15年の期間で組んでいたモノを、3年経過した際に一部繰上げ償還をした結果、残り12年の期間が6年に縮まった場合、残りの6年間については住宅ローン控除が受けれなくなります。

 

その理由は、最初の3年間+繰上げ償還後の6年=9年→10年未満なので「要件を満たさない」ということになるのです。

 

一方でこのような場合は大丈夫です。
当初15年の期間で組んでいたモノを、5年経過した際に一部繰上げ償還をした結果、残り15年の期間が6年に縮まった場合は、残りの6年間についても引き続き住宅ローン控除が受けれます。
その理由は、当初の5年間+償還後の6年=11年→10年以上なのでOKだからです。

 

このケースで、その後、約定どおりに返済したことにより、2年後の償還期間が9年になってしまった!→10年を切ったので、控除が受けれない!
このような心配をする方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・

 

どうかご安心ください。
このケースはOKです。
理由は、繰上げ償還後において期間が10年以上あれば、その後、約定の返済をした結果残期間が10年を切っても、もともと(償還後)の期間が10年以上であれば、要件を満たすというカタチになっているからです。

 

以上、繰上げ償還をする際に十分に注意してくださいね。

 

(文責:代表社員税理士 小竹 勝)

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