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朝日だより

やさしい組織再編の話

2017年06月01日 朝日税理士法人だより

○主だった組織再編の種類

 『組織再編』という言葉を聞くと「何か難しくて大変なのではないか。」とか「ウチの会社とは全然関係ないよ。」と思われる方もいるのではないでしょうか。このように思われる方は『組織再編』を身近な人間関係にあてはめてみると、意外とすんなり理解できるかもしれません。 
   そこで、よくある『組織再編』の形態を人間関係にあてはめてみていくことにしましょう。

1.合併

合併とは、別々の違う会社同士が一緒になり、1つの法人になることをいいます。これを人間関係にあてはめると男女が一つの世帯となる「結婚」と捉えることが出来ます。合併には、合併後に被合併会社が消滅する『吸収合併』と、新たに設立した新設法人以外がすべて消滅する『新設合併』があります。合併によるメリットは、繰越欠損金を有する会社を被合併会社とした場合、一定の要件を満たせば、合併会社にて繰越欠損金を控除することが可能となること等があります。

2.会社分割

会社分割は、会社の中で複数の事業を営んでいる場合などにおいて、一部の事業を他社へ移転させることをいいます。これを人間関係にあてはめると 1つの世帯を別世帯に分ける「離婚」や稼ぎ手を分けることから「子供の独立」と捉えることが出来ます。

また、会社分割には、既存の個人株主へ株式を交付する『分割型分割』、個人株主が所有する法人へ株式を交付する『分社型分割』があります。これは、会社分割後、株式を誰に交付するかにより変わるものです。会社分割のメリットは、複数の事業を別会社に分けることで各社の業績を明確化したり、不採算事業を切り分けることでリスクを分散させること、また労働条件や勤務形態別に会社を分けることが可能となることなどがあります。

3.株式交換・株式移転

『株式交換』とは自社の株式の全部を他社が取得することをいい、『株式移転』とは自社の株式を新しく設立した会社に取得させることをいいます。どちらも同じ様なイメージを持たれるかもしれませんが、『株式交換』は既存の会社間で行われることから既に親会社が設立されているのに対し、『株式移転』は新しく親会社を設立する必要があります。

これは最近流行しているホールディングスカンパニーを設立する際によく用いられる手法です。これらを人間関係にあてはめると、血縁関係とは無関係に親子関係を発生させるという意味で「養子縁組」と捉えることが出来ます。

株式交換・株式移転のメリットは、株式の買取資金の必要がなく各会社をグループ化することが出来る点です。また、グループ化により各会社を通じて後継者の育成を行える他、グループ化による相乗効果によりグループ全体での利益拡大を図ることが可能となる点などもあります。

○組織再編の税制上の視点

1.原則:時価移転(税制非適格)

合併や会社分割の際の資産・負債の移転については原則時価譲渡として取り扱われ、株式交換・株式移転については資産・負債の移転は行われないものの、組織再編から生ずる経済効果の類似性に着目し、資産・負債の移転が行われたものとして移転の日に一定の資産の含み損益を課税対象とすることとされています。

言い換えると、租税回避の防止や課税の公平性の確保の観点から、同一の経済効果をもたらす行為については、同一の課税上の取扱いがなされることとなっているのです。

2.例外:簿価移転(税制適格)

例外的に、組織再編を円滑に進める観点から、組織再編により資産・負債を移転する前後で経済実態に実質的な変更がないと考えられる場合は、課税の繰り延べが行われ課税関係が生じないこととされています。このため資産・負債の移転については簿価により行われることとなります。また、課税の繰り延べの要件は、グループ内の組織再編と共同事業を営むための組織再編とに分けられ、それぞれ異なる要件が複数規定されており、判定が複雑となっています。

組織再編に係る税制適格の要件については平成29年度も改正が行われており、その適用を誤ってしまうと税負担が非常に大きくなる恐れがあります。こうしたリスクに備える上でも、組織再編をお考えの際には、まずは弊社の担当者あてにご相談ください。

(文責:朝日税理士法人 関内本店 山崎雅樹)

 

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