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朝日だより

養子縁組と相続

2017年04月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

 今年、相続税対策のために、孫を養子にした男性の養子縁組が有効かどうか争われた訴訟で、最高裁判所が「節税目的の養子縁組であっても、ただちに無効にはならない」と判断を示したことは、まだ記憶に新しいところです。

 今回はそれを受けてご案内して参ります。

 

 とある家庭にて

  一郎・・・今年喜寿を迎える父、〇✕産業㈱社長

  和子・・・一郎の妻   春江・・・一郎の長女、夫春介と死別

  春介・・・春江の夫、既に死亡、元〇✕産業㈱取締役

  夏男・・・一郎の長男、独身の芸術家

  秋菜・・・一郎の二女、近いうちに出産予定

  秋之・・・秋菜の夫、公務員   冬美・・・春江の長女

  冬太・・・冬美の夫、冬美と結婚時に妻の氏を選択

 春江「お母さん、お父さんも今年とうとう喜寿ね。今度の誕生日には、夏男や秋菜達も呼んで盛大にお祝いをしない?」

和子「あら、お父さん喜ぶわ。ちょうど良い機会だからその時に養子縁組の話もしたら良いわ。」

春江「養子縁組?だって春介さんは亡くなったけど、冬美が結婚した時に、冬太君が会社を継ぐつもりでうちの姓になったじゃない。」

和子「そうじゃなくて、お父さんと冬美ちゃんの養子縁組よ。冬美ちゃんがお父さんの養子になれば、相続税の基礎控除が1人分増えるのよ。」

春江「なぁ~んだ、そういうこと。それなら皆が集まった時に話しておいた方が良いわね。」

 

一郎喜寿のお祝いの会にて

一郎「みんな今日はありがとうな。良い機会だから、俺の相続について皆に話しておくよ。」

和子「お父さんは、冬美ちゃんと養子縁組することを考えているのよ。」

 夏男「それって冬美ちゃんが親父の相続人になるってことだよね。どうせ俺はあてにならないし、会社を継ぐ冬美ちゃん達に財産を渡すこと?」

秋菜「え~?それならうちの子が産まれたら、うちの子も養子縁組して欲しいな。」

春江「皆誤解しないで。お父さんと冬美の養子縁組はお父さんの相続税対策なのよ。」

一郎「春江の言うとおりだ。俺の財産をどうするかは、皆が喧嘩しないように、ちゃんと考えて遺言書を作るから、文句を言わないように!」

夏男・秋菜「すみません、わかりました。」

秋之「お義父さんと冬美ちゃんが養子縁組すると、冬太君も改姓してお義父さんの姓になるかも。余計なことかもしれませんが、念のため。」 

冬美「え~っ!そんなことになるの?」

冬太「また改姓になるとは!手続も面倒なんじゃないでしょうか。どうしたら良いんですか?」

 

解説

民法では養子縁組による養子は養親の相続人となることが定められており、その人数に制限はありませんが、相続税法においては、相続税を計算するうえで基礎控除の対象に加えることができる法定相続人の数は、次のようになっています。

◆被相続人に実子有の場合…普通養子縁組により1人まで

◆被相続人に実子無の場合…普通養子縁組により2人まで

 養子縁組の手続は、当事者(印鑑持参)が、証人2名の署名捺印をした養子縁組届を本籍地または住所地の市区町村戸籍課に提出すれば良いのですが、戸籍謄本や特別な書類(養子が未成年の場合等)が必要なことがありますのでご注意ください。

 なお、結婚時に妻の氏を選択し、妻が筆頭者となっている戸籍にある夫については、妻が縁組により養親の姓となるに従い随従入籍(改姓)することを念頭に置いて、手続を行う必要があります。

 このように、養子縁組は相続税対策としては有効ですが、当事者だけで安易に進めてしまうと思わぬ事態を招くことがあります。相続税のみならず、相続全般について不安や対策の必要性を感じる方は、まず家族で良くコミュニケーションをとり、後々誤解から家族間のしこりを生じないように気を配ること、身近な専門家に相談して進めることが大切です。

(文責:久保祐子)

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