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朝日だより

相続税申告以外の税務手続(個人事業者)

2017年02月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

・基礎控除引き下げ後の相続税申告状況

 昨年末に国税庁から発表された「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成27年中に亡くなられた方(被相続人数)は約129万人、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万3千人で、課税割合は8.0%(平成26年4.4%)と前年に比べて大幅に上昇しました。また被相続人1人当たりの課税価格は1億4,126万円(平成26年2億407万円)で、税額は1,758万円(平成26年2,473万円)となっています。この課税割合の大幅な増加には、平成25年度税制改正により平成27年1月1日以降の相続等から基礎控除の引き下げが行われたことが大きく影響しています。

 このように相続税の申告・納税義務を負う方が大きく増加する中で、基礎控除額を少しだけ超える財産を所有される方も忘れずに相続税申告をしなければなりません。また個人事業者や不動産貸付業の事業者で毎年確定申告をして来た方の相続に伴う税務手続きは、意外と見落とされがちです。

 今回はこれら相続税申告以外の税務手続きについてご案内いたします。

1.被相続人に関する税務手続き

・「事業廃止等の届出」と「所得税・消費税の準確定申告」

 相続税の申告期限は相続の開始を知った日(一般的には亡くなられた日)の翌日から10か月以内です。しかしその前に相続人は、所轄税務署長に対して被相続人の事業の廃止等の届出「個人事業の開廃業等届出書(廃業)」をし、被相続人の生前中の所得について所得税の確定申告を行う必要があります。また、被相続人が消費税の課税事業者であった場合は、所得税と同様に消費税の届出「課税事業者の死亡届出書」と申告が必要となります。

 所得税の「開廃業等届出書(廃業)」は相続開始後1か月以内、消費税の「死亡届出書」は”できるだけ速やかに”届け出ることとされていますが、これらの届出をしなかった場合でも特に罰則の規定はありません。これらの提出と比べて重要なのが準確定申告書の提出です。申告期限である「相続人が相続の開始を知った日の翌日から4か月以内」に申告しないと65万円の青色申告控除が10万円となり、また加算税・延滞税等ペナルティの税金も発生しますので注意が必要です。なお還付申告となる場合は提出期限の定めはなく、還付請求権の消滅時効前(5年)であればいつでも提出できます。

2.相続人に関する税務手続き

・開業の届出と青色申告承認申請

 相続発生後の税務手続きは被相続人に関するものだけではなく、事業を承継することになる相続人側にも必要です。

 被相続人の事業を承継するということは、新たに事業を開始することと同じであり、その相続人が相続以前から個人事業を行っていた場合を除いて、所轄税務署長に対して「個人事業の開廃業等届出書(開業)」を事業開始(相続開始)の日から1か月以内に提出する必要がありますが、ここで忘れがちなのが青色申告の承認申請です。

 被相続人が青色申告を選択していた場合において、相続人がその事業を承継したとしても青色申告の承認の効果は相続人には及びません。相続人が青色申告を選択するためには、新たに青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。

 この場合の申請書の提出期限は次のように定められています。

①相続開始がその年1月1日から10月31日までの場合……相続開始の日から4か月を経過する日とその年12月31日のいずれか早い日

②相続開始がその年11月1日から12月31日までの場合……翌年2月15日まで

 この提出期限を過ぎてしまうとその年度は青色申告の適用ができず、青色申告特別控除や各種特例の適用ができませんので、提出期限にはご注意ください。       

 (文責: 粟木俊生)

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