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朝日だより

相続対策

2017年10月03日 朝日税理士法人だより 資産税版

   平成27年に相続税の基礎控除額が縮減されて以降、あちらこちらから「相続対策」という単語が耳に入るようになりました。
   相続対策というと、私は凡そ30年前のバブル景気の時代を思い出します。当時は不動産・証券・生命保険、あるいは純金・名画・骨董等を利用した相続対策と銘打った研修会がよく開催されていました。

 今静かにシャボン玉が膨らんできている。臨界点はまだ先かも知れないし誰にも分からない。しかし、今回の相続対策を起因とする一連の資産価格上昇を「バブル」だと私は確信しています。これを杞憂と言って一笑に付すかどうかは皆さんの判断にゆだねたいと思います。

【相続対策とは】
    相続対策は、一般的にその方が持っている財産を別の財産に移す(購入、買換え等)ことで、その資産価値を下げることにより行います。何年か後に相続が終了し、移した財産を元の財産に戻し、尚且つ利益が出れば大成功です。また移転後の財産から生まれる利益が、移転前の財産から生まれる利益よりも多いようなケースも成功と言えるでしょう。

【相続対策としての建築投資】
 土地を利用した相続対策について考えてみます。例えば畑や駐車場として自ら利用している土地(自用地といいます)は、その土地の利用を阻害するような他人の権利がありませんので、更地評価(100%評価)となります。一方で、この土地に建物を建築し、その建物を第三者に貸し付けると、建物を借りた人の権利が発生します。このような土地を「貸家建付地」と言い、一般的に土地の評価が自用地(100%評価)に対して18%ほど下がります。また建物についても、自ら利用している建物(自用家屋)と比べて評価が30%下がります。
 建物の評価には固定資産税評価額を用います。この評価額は、建物の構造により異なりますが、通常、建築価額の60%から40%程度の金額になるのが一般的です。
    そして建築費を支払うために金融機関等から借り入れた金額はその方の債務となり、相続税の計算上、財産総額から控除できます。アパートであれば5千万円程度から。ビルであれば3億円程度からの建築資金が必要となりますので、これら建築投資を行う際には、事前のリスク分析が不可欠です。

【相続対策のリスク】
 建築投資を行う場合、賃料収入は重要な問題です。まず借り手が存在することが必要不可欠であり、アパートを建築しても借り手がいなければ大赤字です。更に、借り手から貰う賃料収入によって借入金を返済し、利息を支払い、固定資産税を納付し、建物の管理や修繕を行い…等々。これらを考慮した上で、どれだけの現金が手許に残るのかを事前に検討しておく必要があります。
 また、金融機関からの借入金利は現在年利1%前後という条件を提示されることが多いようですが、凡そ30年前は年利6%から8%でした。このように今後の金利動向は読めませんので、金利が上昇した場合のシミュレーションも事前に行っておく必要があります。

【リスクが少ない相続対策】
 リスクが少ない相続対策として「生命保険の非課税枠」を利用する方法が考えられます。他にも、子供や孫に対する「教育資金の一括贈与」、「結婚・出産・育児資金の一括贈与」、「住宅取得資金の一括贈与」などの贈与税の非課税枠の活用といった対策もあります。ご自身のリスク許容額を考慮しながら、このようなローリスク対策も併せて検討することが重要です。
    なお、冒頭で記載した相続対策としての名画・骨董・宝石などの取得は個人的にはお勧めできません(私自身、目利きができませんので…)。
    余剰財産がある場合は、できる限り換金性の高い金融資産で持っていることをお勧めいたします。結局のところ、納税資金がきちんと準備されていることこそが、究極の相続対策ではないかと私は考えています。
                                                                                                                                   (文責: 青木昌一)

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