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朝日だより

平成29年度税制改正大綱【資産税版】

2017年01月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

先月、税制改正大綱が発表されました。話題の中心は103万円の壁を150万円とした配偶者控除(所得税)の改正ですが、資産税分野において注目される改正もいくつか盛り込まれました。

【広大地の評価方法】

地域における標準的な宅地に比して著しく広大(三大都市圏の場合500㎡以上)で『一定の要件』を満たす土地を広大地と言います。このような土地は、道路などを入れて分譲しないと売ることが難しいとのことで、相続税の計算上大きく評価を下げることが出来ます。

ということで「先生、この土地は500㎡以上だから広大地評価で安くして」と言われることがありますが、だからといって「よし来た」となかなか言いにくい現状があります。その理由が、前述した『一定の要件』です。

一定の要件とは、簡単に言えば「この土地は道路を入れて分譲する以外に活用方法がないのか?」を検証する基準のようなものですが、非常に曖昧で個々の実情に大きく左右されるものです。

これについて、今回の大綱では「広大地の適用要件を明確化する」と示されました。これにより、広大地評価の適用有無がわかり易くなるのではないかと期待されます。

【タワーマンション税制改正】

今回の税制改正で配偶者控除と並び話題となっているのがタワーマンションに対する固定資産税の改正です。

タワーマンションは、景色展望の良い高層階の部屋であればあるほど不動産としての価値(値段)が高くなる傾向にあります。しかしながら、1階であっても高層階であっても固定資産税評価は同じです。これでは不公平ということで、改正することになりました。

例えば40階建てのマンションの場合、中間の階を境にして、高層階は最大5%増税されて、低層階は最大5%減税されるというカンジです。「なーんだ、5%程度じゃ大したことないじゃないか」とお思いの皆さん!当局の狙いは固定資産税だけではありません。いわゆるタワマン相続税節税潰しが本命なのです。

タワーマンションが相続税の対象となる場合、その建物部分の評価は固定資産税評価額により計算されます。つまり「高層階には相続税も高く課税しよう」という狙いが本件の大本命なのです。(※高層階と低層階の負担率が変わるだけで、マンション1棟にかかる固定資産税の総額は変わらない予定です。)

【海外財産への相続税課税強化】

現行の税制では、海外にある財産を日本人が相続や贈与を受けても、貰う人・あげる人双方が5年間一度も日本に住んだことが無ければ日本の相続税や贈与税が課されず、このことが相続税等回避に使われているという指摘がありました。

今回の大綱では、5年をその倍の10年に引き延ばし、その間1度でも日本に住んでいれば、海外財産に相続税等を課すことができるよう改正するようです。

【非公開株式の計算の改正】

同族会社の社長が、息子などの後継者に株式を贈与する場合、贈与直前にわざと利益を少なくして株価を引き下げ、贈与税を低くするという節税をするケースが良くあります。このような節税に若干のブレーキがかかってしまうかもしれない事項が大綱に盛り込まれました。

非公開株の評価方法の1つに配当、利益、純資産をベースに計算するものがあります。大半のケースでは、配当1:利益3:純資産1の比重で計算されます。これについて今回の大綱では利益の比重を3→1に下げ、全て同じ比重にすることが示されています。これにより利益を下げても株価に対する影響は少なくなり、これが前述のブレーキ効果になりそうです。      

 (文責: 小竹 勝)

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