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朝日だより

国際相続の基本~米国の場合~

2017年03月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

 近年では日本人が国外に居住し国外で財産を所有する機会も増え、税についても様々なケースが考えられるようになりました。

 このように所有する財産の所在が国内外にまたがるような場合、相続についてはどのように課税が行われるのでしょうか。今回は日米間の相続についてご紹介します。

1.相続税の課税財産

 相続税が課税される財産の範囲は、その財産を取得した者の相続開始日現在の状況により判断します。

 相続人又は被相続人の住所が相続開始前5年以内に日本国内にある場合には、被相続人が所有する国内外すべての財産が課税対象となります。

 一方で、相続人又は被相続人の住所が相続開始前5年以内に日本国内にない場合には、原則として被相続人の国内にある財産のみが課税対象となります。この場合、相続人が負担する債務は、その相続人が取得した国内にある財産に直接個別に対応する債務のみ課税財産から控除されます。葬儀費用や未払医療費を負担したとしても、債務控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

 なお、昨年末の税制改正大綱では、上記の相続開始前「5年以内」を「10年以内」に延長することが発表されていますので、今後改正される可能性があります。

2.財産の所在

 相続税の課税対象となる財産が国内又は国外のいずれにあるかは、その「所在」により判定します。主な財産の「所在」判定基準は次のとおりです。

 

財産の種類

所在

動産、不動産、不動産の上に存する権利

その動産、不動産等の所在地

預貯金

その預入をした営業所等

 保険金

保険会社等の本店等

(日本国内の保険契約に係る事務を行う営業所等)

株式、社債、出資

その発行法人等の本店等

その他の財産

被相続人の住所地

 

3.米国での税制

◆遺産税

 米国では、日本の相続税にあたる「遺産税」のほか、それぞれ州によって州税が別途課税される場合もあります。

 日本の相続税は10%から55%までの8段階の累進税率ですが、米国の遺産税は18%から40%までの12段階の累進税率です。

◆日本の相続税との違い

 日本の相続税は、「財産を相続した相続人に対して課せられる税金」という認識なので、相続人が納税することになっています。

 一方、米国の遺産税は、「遺産の価値に対して課せられる税金」という考え方で、被相続人が遺産税を納税することになっています。実際には被相続人は手続き出来ませんので、故人の債権債務の精算を行うための遺産財団が設定され、遺産管財人が財産の分配処理や遺産税の納税手続きなどを被相続人に代わって行います。

◆米国での課税財産

 米国の遺産税では、被相続人が日本人で日本に居住している場合には、非居住外国人として扱われます。この場合、一定額の非課税額はありますが、米国内にある財産について遺産税の対象となります。

 課税対象となる財産は、具体的には米国内にある不動産、家具・車等の動産や米国法人発行の株式、債券などです。ただし、被相続人名義の米国銀行預金や日本国内にある財産は、課税対象外として取り扱われます。

4.日米両国で課税された場合

 日本で相続税を支払い、米国でも遺産税を支払うことになった場合には、国際間の二重課税を排除するために、日本では外国税額控除により、米国で支払った遺産税の一部又は全部を控除することができます。

 もし、国際間の二重課税が心配されるような場合には、弊社担当までお問い合わせください。

文責:小浜千佳

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