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朝日だより

タワーマンションから見える景色

2016年12月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

今年も税制改正が話題となる時期になりました。今年の検討内容にタワーマンションに対する課税の見直しが含まれています。今月はこのタワーマンションに関する課税の問題点の考察を契機として、毎年の税制改正にどのように向き合っていったらよいのかを考えてみたいと思います。 タワーマンションの何が問題だったのか?

一般的にタワーマンションには二つの問題があると言われています。一つ目は、相続税の問題です。タワーマンションの購入が節税対策になるとの情報が一気に広まり、相続税対策のためにタワーマンションの高層階を購入する方が増えました。ここに何らかのメスを入れるための改正検討です。 二つ目は、低層階や中層階に住む人と高層階に住む人との間の不公平感です。タワーマンションは、高層階になるほど㎡当たりの販売価格が高額になっていくのが一般的な価格構成です。しかし、部屋の広さが同じであれば、5階の部屋でも50階の部屋でも毎年の固定資産税は同額となります。ここにもメスを入れようと検討が始まりました。 行き過ぎた節税対策に対する規制 一つ目の問題について考えてみましょう。そもそもタワーマンションの購入が何故相続税対策になるのでしょうか。それは、相続財産の評価についての決まりから来ています。 タワーマンションは、土地と建物として評価の対象となります。土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価額が決定され、一般的に売買価格に比べて低額になります。タワーマンションは戸数が多いことから土地の持分は小さくなり、更に、販売価格が高額な最上階も低層階と同じ固定資産税評価額で価額が決定されます。購入価額の20~30%程度の評価額になることも珍しくありません。2億円のタワーマンションを購入した途端に、2億円預金している場合と比べて、1億5千万円程度相続財産を減らすことも可能なのです。

しかし、これを法律改正で解消することは理論的にかなり難しいと思います。亡くなる一か月前 にマンションを購入し、一度も使用することなく一年後に売却してしまった事例がありました。この事例は裁判で争われ、購入価格で評価するべきとの判決が出ています。このような極端な事例に対しては、法律改正による対処ではなく、個別に否認をするなどの対処をするべきです。 不公平感の解消 二つ目の問題である固定資産税については、今年の税制改正で見直しが進んでいるようです。一棟全体の固定資産税の計算方法は従前通りですが、それを各戸に案分する方法を見直すようです。現在は単純に各戸の㎡数に応じて案分していますが、階層に応じて案分するなどの方法が検討されています。 しかし、各階層の価格差は物件によって異なりますし、階層だけではなく方角などによっても価格差は生じています。これらをどの様に調整するのか。個人的には、これも難しい問題だと思っています。 毎年の税制改正にどのように向き合うのか タワーマンションが様々な税金に多くの影響を与えるなんて、数年前にどれほどの人が予想したでしょうか。このように次々と新たな問題が湧き出してくるのが税金の世界です。 これらの問題に毎年パッチワークのような改正で対応していくと、いずれ気が付かない内に基本的な税体系そのものを歪めてしまいます。私たちは、慎重にその推移を注視していかなければならないと、毎年この時期になると考えさせられます。 タワーマンションに住みたい、あるいは賃貸物件として所有したいと考えている人にとっては、今後の改正によっては大きな影響を受けるかもしれません。日々動いている税に関する情報を、出来る限り早く、解り易く皆さまに発信できるよう今後も努めてまいります。
(文責:大澤慎一) ※当記事は平成28年10月31日現在の情報に基づき掲載しています。

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