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朝日だより

アパート建築は消費税の還付が受けられる?

2017年05月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

 「建物を建てると、消費税の還付が受けられる。」そんな噂を耳にしたことはありませんか?実はこの話、還付を受けるまでには様々な条件や検討すべき事項が多くあります。今回は消費税の還付に関して、個人事業者が注意すべき点をご紹介します。

【課税事業者の選択届】

 あなたは今、消費税の“課税事業者”でしょうか?まず、還付を受けるためには、消費税の“課税事業者”となっていることが大前提となります。

消費税の納税義務が発生する(=課税事業者となる)のは、原則として基準期間(2年前)の課税売上高(※1)が1,000万円を超えた場合ですので、それが1,000万円以下であった方は敢えて選択して「課税事業者になる」必要があります。ここで大事なのが、選択についての期限です。課税事業者を選択したい課税期間が始まる前日までに税務署へ選択届出書を提出する、つまり、アパートを建てる前年中に届出書を提出しなければなりません。(事業開始年度等を除きます。)

 また、この届出書を一度提出してしまったら、最短でも2年間は免税事業者に戻ることはできません。更に、その2年の間に建物や車両等で100万円以上の資産(調整対象固定資産といいます。)を購入したときは、その購入年以後3年間は免税事業者に戻ることはできません。(後述の簡易課税制度を選択した場合を除きます。)

 

【簡易課税制度との関係】

 「私は元々課税事業者だから、届出書は特に必要ない」とお考えの方にもう一つ質問です。お手元の消費税申告書の右上に「 簡 」の記号はありませんか?その記号は“簡易課税制度”を採用している印で、その方も還付は受けられません。消費税の計算方法は2種類(本則計算(※2)と簡易計算(※3))あり、還付を受けるためには、本則計算を採用している必要があるのです。

 現在、簡易計算を採用している方が還付を受ける場合には、本則計算に戻すための届出書を提出する必要があるのですが、こちらも本則計算に戻したい課税期間が始まる前日までに提出しなければなりません。つまり、「今年アパートを建てたので、消費税の還付の相談をしたい」と思っても、時すでに遅しという事態が起こります。

 

【還付金額はどのくらい?】

 では、ここまでの条件をクリアした場合、還付金額はいくらになるのでしょう?消費税の計算は、預かった消費税と支払った消費税を比べて、預かった方が多ければその差額が納付、支払った方が多ければその差額が還付となります。このとき、その支払った消費税を計算するために“課税売上割合”という割合を使いますが、これは支払った消費税の内、課税売上に対応する分の控除を認める、という考え方によっています。つまり「支払った消費税をどのくらい引けるか」に対しての答えは、「課税売上がどのくらいあるか」に委ねられているのです。

 例えば、居住用家賃収入は課税売上に該当しませんので、課税売上割合が非常に低いアパート経営者は、控除できる消費税が少なく、多額の還付は受けられません。その一方で、前述の通り課税事業者を選択してから3年間免税事業者に戻れない場合があるため、2、3年目の課税売上による納付が発生してしまい、結局損していた!という事態も起こり得るのです。

 様々な要素が絡み合う消費税の還付手続。還付が受けられる年だけでなく、向こう数年間を見据えた試算により、有利不利を判定する必要があります。大きな設備不動産投資をご検討の際には、お早目に弊社担当までご相談ください。

(文責:菊永奈津姫)

※1消費税がかかる売上高の合計(居住用家賃収入や地代収入は含まれません。)

※2預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納付税額を算出する原則的な計算方法

※3預かった消費税の内、事業区分により一定割合を納付する簡便的な計算方法

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